家だけでなく外構も一緒に考えよう

今回は、建物ではなく、外構!駐車場やお庭について、考えてみたいと思います。中古住宅購入を検討する人が増えてきた昨今ですが、中古住宅を販売している不動産屋さんに話を聞くと、売り出し時に、一番頭を悩ませるのが、駐車スペースと庭とのこと。

それは何故でしょう?そして、最近の新築では、庭スペースをどう考えているのでしょう?

新築、中古、いずれにしても、購入時には、庭・駐車場を含む、外構についても、一緒に考えておいて欲しいのです。長くその土地に住むことを考えれば、なおさらです。

どういう場所で、どういう用途として、どれほどのスペースが必要なのでしょう。ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。

スペースを考える

スペース・余白

突然ですが「余白が豊かさをつくる」——そんなことを考えてみたことがありますか?

建物の大きさではなく、敷地全体の中でどれだけ気持ちのいい空間を生み出せるか。それが、今の家づくりのテーマになってきています。

ここでいう余白は、決して、ただの「広さ」を表しているわけではありません。広くないと、余白ができない、生まれないという考え方ではなく、限られた土地であっても、快適に暮らすこと、解放感を感じる工夫があると、より、豊かな暮らしができると思うのです。

導入部分で触れた、中古住宅の「庭」と「駐車場」。敷地が広い場合でも、よく問題になるのは「庭が広い」けど「駐車スペースがない」ということ。これって、昔は、お庭を楽しむゆとりが当たり前のようにあったとも言えると思いませんか?

しかし、現在は、多くの住宅で、真っ先に必要なスペースとしてあがるのが駐車場です。車は家族全員分、あるいは、来客用など。あまりバリエーションがなく楽しむよりも実用性が重視されてしまいがちですよね。

建物と道路

駐車スペースが必要不可欠であること、そして、それは道路に面していないといけないということで、駐車場は建物の配置にも、影響してきます。

また、配置だけではなく、家の正面に位置するケースが多いため、街並みやファサード(建物の顔)の印象にも大きな影響を与えます。玄関までのアプローチ部分との関係性、見え方も重要ですよね。

外構をデザインする際に、その実用性、機能性も踏まえたうえで、全体を設計することとなり、駐車スペースといえども、単なる空き地という考え方で進めてしまうのは、非常に残念なことです。

空き地として、考えてしまうことは、余白がない暮らし、余裕がない暮らしに繋がってしまうかもしれません。せっかく家を建てるなら、もう一工夫、余裕をもって全体を計画してみましょう。

検討するスペース

駐車場として必要な広さとして、一般的にいわれるのは、普通車サイズの目安として、幅 約2.5m × 奥行き 約5.0m(=12.5㎡)が1台分として必要。つまり、2台であれば、5.0m×5.0mほどの敷地が必要になります。

少し余裕をもったスペースとする場合は、奥行き部分を6.0mと考えます。例えば、建物の目の前に駐車スペースを作る場合、道路まで5.0mで計画をしてしまうと、実際に駐車するには、圧迫感を感じます。

玄関までの通路、エントランスとの関係も考えて、駐車場回りに、歩くスペースや花壇、アプローチ部分などを配置しながら、建物との距離を確保し、駐車スペース+余白部分をうまく活用することにより、雰囲気もよく解放感もあり、利用しやすいスペースにすることも可能となります。

外構を楽しむポイント

外構の代表として、庭と駐車場を話しましたが、実際には、もっと細かい部分でもたくさん考える部分があります。

プランニング

外構のアイテムとして、ポスト、立水栓、宅配ボックス、照明、表札、門柱、物置、自転車置き場、ゴミ置き場など、これらはすべて、“暮らしの道具”です。デザインというと、とかく、見た目の好みなどを思い浮かべがちですが、デザインとは、使い勝手や機能面なども踏まえて、計画(プランニング)されるべきことでもあります。

暮らしの中に必要なアイテムなのか、そうではないのか。必要だとすれば、どういうシーンで、使うか。誰が使うか。なぜ必要なのか。そのようなことを考えることで、設置の可否や場所を1つずつ決めていくことができるようになります。

そして、必要なものを必要な場所に、かっこよく、あるいは、お洒落に、かわいくなど、好みのテイスト合わせた物をセレクトする。

外構を楽しむためには、最低限必要なスペースを軸に検討する理由と、余白を交えて検討する理由、それぞれを理解しながら、バランスよく配置すること。こうすることで敷地全体のゾーニングを経て、小さなアイテムに至るまでを考えられるようになることで、より快適で、心地よい空間になります。

ゾーニング

敷地全体の建物や駐車場のスペース、そして、庭などの配置を大まかに決定します。さらに、駐車台数に応じた、区割り、玄関までの動線、植物を植える場所や、デッキスペースなど、少しずつ、空間を区切っていきます。

ゾーニングする際に、押さえておきたいのは、敷地の形状、道路や隣地との位置関係、土地の高低差。そして、方位です。

方位も、隣地との関係性も、日当たりに大きく影響してきます。全体の道路や隣地よりも、土地が高ければ、それだけ良好な日当たりが考えられますが、逆に低ければ、日陰になる時間帯が多くなります。

日が差し込む角度など、季節によっても変わってきます。

隣の敷地の建物の位置なども、風通しに影響したり、視線を遮る必要があるかなど、外構にフェンスが必要かどうかを検討する材料になります。

ゾーニングの際には、範囲の区分けだけでなく、塀の必要有無なども考えて置くと良いでしょう。

ガーデニング

庭のある暮らしに憧れているなら、ぜひ、庭の中のゾーニングも行ってみてください。

一言で、庭といっても、実に考え方はいろいろです。ご自身が考えるよりも、ずっと、巾のある展開が考えられるかもしれません。

中古住宅の販売で、困る代表とされる「庭木」ですが、昔の家の庭木といえば、塀の変わり、生垣というものが多く存在します。道路側も、隣地との境界も、とにかく木に囲まれている。空いているのは、門のところだけ。というような家もたくさんあります。

庭木がきれいに剪定されていると、手入れの行き届いた家であると感じますが、今の時代となっては、そんな手入れをしている余裕がないという人がほとんどです。

代わりに、ブロック塀やフェンスなどを活用し、境界は作れるようになりました。もちろん、ブロックやフェンスも、庭を考える上では重要な要素になります。

庭との融合まで考えた、塀の選択をすると、より豊かな暮らしへとつながります。

庭のある暮らし

次に庭のスペースの中のゾーニングについて、考えます。

昔と今

昔の家であれば、庭で何かをするというよりも、眺めて楽しむものであり、木や石などの配置が最初から計画的にされており、出来上がった空間であることが多いです。

日本庭園の考え方から来ているもの、といえば、わかりやすいでしょうか。そんな庭を縁側で見て楽しむ。

季節ごとに庭師の方が手入れをしてくれる。あるいは、庭師の方に手入れを頼まなければ自分では、その美しさを保つ事が出来ない。そんなイメージもあるかもしれません。

だからこそ、中古販売の際には、問題になるのかもしれませんね。

そこから、少しずつ、植栽を自分自身で変化させたり、楽しむためのものに変わってきており、植樹もありますが、花などを植えて、ガーデニングを楽しむケースも多くなってきています。

お庭のお手入れも、ご自身でできるようなものになっていますね。

ごく最近では、植栽などはなく、ウッドデッキや、ドッグランなどの用途ありきで計画されているケースもあります。それもまた、心地よい暮らしでしょう。

また、全く外構が必要ないという人は、戸建てではなく、マンションなどの、庭を不要とした生活を希望するため、戸建てを購入する人の多くは、少しぐらいは庭というスペースを考えたいと思われているのではありませんか?

具体的な考え方

あなたの庭には、どういうゾーンが必要でしょうか。例えば・・

① くつろぎゾーン:座る・眺める・お茶する・読書するゾーン
② 鑑賞ゾーン:見て楽しむ・花や木を植える・石や水の演出
③ 実用ゾーン:洗濯物を干す・手や道具を洗う・片づける
④ 家庭菜園ゾーン:野菜やハーブを育てる
⑤ 遊ぶゾーン:子供と遊ぶ・ペットを遊ばせる
⑥ 通路・動線ゾーン:家と庭をつなぐ・小道などの演出

必要なゾーンを考える

限られたスペースの中でも、ゾーンをうまく区切り、工夫を凝らすことで、理想の暮らしに近づきます。まずは、目的、そのゾーンが必要な理由を整理しましょう。

例えば、「家族でバーベキューしたい」「ガーデニングを楽しみたい」「隣のこと気にせず、外の空気を吸いたい」「子どもやペットを安心して遊ばせたい」など。

仮に、この4つ全てを叶えたいとしたら、どう考えますか?

それぞれ、有効に使える場所として確保するには、多くのスペースが必要そうです。もちろん、そのスペースを十分に確保できる敷地がある場合は、それも良いと思います。

例えばこんな感じで考えてみます。

・タイルテラスやウッドデッキがある場所で、家族団らん(バーベキュー)ができる。夜にバーベキューするなら、照明があるとよりいい。

・奥様の願いはガーデニング。お花だけでなく、家族のために野菜も育てられるような場所。見た目ももちろんだけど、お手入れのしやすさも大切。道具の出し入れや水やりがしやすい場所を確保する。

・ガーデニング時間以外のリラックス時間も欲しい。時には一人で、コーヒーをのみながら読書をしたり。でも、隣の人の目に触れるのは、ちょっと気が引ける。このスペースだけでも、目隠しになるものが欲しい。

・子供たちが楽しく遊ぶ場所では、簡易プールを使いたい。汚れ防止に、人工芝などがあるといいだろうか?犬が自由に遊べるようにするなら、ちょっとした囲いが必要かも。

サイズ感を考える

いろいろ想像が膨らみますが、全てを確保する余裕がないなと思ったら、どうでしょう?どこのエリアを小さくしますか?

・子供たちが児童用プールで遊ぶ場所は、テラスの上でもいいかな。でも、ペットも・・となるとどうだろう。

・テラスを不要にするのはどう?バーベキューは、テラスが無くてもできるかな。ただ雰囲気も大事だし。

・ウッドデッキを家族で過ごすスペースではなく、一人で過ごすくつろぎのスペースとして、考えてみたら?

いろいろな方向性から考えていくと、ゾーニングも変わってきそうですよね。

限りあるスペースを有効に使うためには、まず、限りあることを考えずに、妄想、理想をどんどん広げていくことです。あとから、もっとこうすれば良かったということを、出来る限り少なくするためには、小さく考えずに、大きく考えて、イメージを膨らませていくこと。写真や動画を見ることもおすすめです。

調整は後から行いましょう。ゾーニングの際に、全体のボリュームバランスを考えておくのも、有効です。

ボリュームバランスというのは、あくまでも割合として、ゾーンを考えておくこと。単にガーデニングがしたいといっても、どういうイメージなのかは、簡単には伝わらないですよね。

ボリューム感でいえば、ガーデニング>バーベキュースペース>くつろぎ空間・・などというように、決めてみると計画もしやすくなります。

ゾーニングの境目をなくす

ゾーニングは、あくまでも目安。ボリュームバランスに応じて、庭スペースを区分けすることができたら、実際の庭のイメージを具体化していきましょう。

例えば、利用方法として、菜園など年間を通して使用される場所もあれば、児童用プールやバーベキュー、読書など、その時のみの目的の場所もあります。

そのような場合、ゾーニングをしつつも、共有できたり、干渉させたりすることもできるので、狭い敷地での計画の際には、境界を曖昧しながら上手に組み立てをしていきましょう。

例えば、一人で読書するリラクゼーションゾーンで、近隣の目に触れないようにしたい場合、ウッドフェンスなどで、目隠しを作っても良いですが、日除けとして、パーゴラを建てて、つる性植物を這わせてみるとか。そうすることで、家庭菜園スペースの中に、その場所があっても、良い雰囲気になるかもしれません。

植栽で目隠しをする場合、樹木を植えることに、後々の成長を考えると不安という方は、少し大きめの鉢植えでの管理にしてもよいかもしれません。

全てをフェンスで囲まなくても、部分的に植栽の力をかりて目隠しすることで、グリーンが目に入る、心地よい空間になることでしょう。

あるいは、必要なときだけ、タープをかけたり、テント風にしたりしながら過ごすことも考えられます。小スペースなら、小スペースなりの工夫で、心地よい時間を過ごすことができるでしょう。

ライフスタイルの変化・まとめ

もうひとつ計画をする上で考えておく必要があるのは、経年変化です。ガーデンスペースは、特に手入れが必要な場所です。家を建てたタイミングで、ベストな状態にしてしまうと、その後、植物の成長とともに、後悔することにもなりかねません。

先ほどのパーゴラに、つる性植物の話などは、経年を踏まえて考えることができます。例えば、住宅購入のタイミングでは、お子さんが小さくて、独りでゆっくり読書という時間が取れないかもしれません。それまではこの場所は使わないのではありませんか?その可能性ありますよね。

もちろん、子供たちと日向ぼっこする場所にしても良いですけど、ある程度、子供が成長して、落ち着いて時間がとれるようになるころに、ゆっくり活用できる場所として、計画しておく。こんな考えも面白いですね。楽しみが先延ばしになっているのですが、そんな未来の楽しみを描いておくことで、今頑張れるかもしれません。

とはいえ、つる性植物が、うまく成長したところを想像して、時を待つだけとはいかず、やはり植物は生き物なので、それなりに目をむける必要はあります。放置していれば、思うような方向につるを伸ばしていないかもしれませんからね。

ライフスタイルの変化は、生活そのものの変化でもありますが、好みの変化もあります。経年変化は、時として、年月が経ち劣化していく様のように捉えられることもありますが、そうとは限らないのです。

新築を購入すると、多くの人にとって、新築の状態が最も良い、満足いく状態であり、それ以降は、劣化していくように感じるものです。でも、私はそこに住み、時が経ってこそ、心地よい空間となっていくように、住まう人が、その変化にあわせて心地良い空間にするように、変化させていったらいいのにな。といつも思っています。

未完成のお庭でも、暮らしながら、少しずつ植物が増えていったり、季節の移り変わりと共に、色味が変わったりする様を眺めながら、年月とともに、自分の思いを馳せ進化させることができるのが外構かもしれませんよ。

逆に、お庭に植えられる植物たちが、時と共に成長して、ほど良い状態を迎えることを想定して植えられているにも関わらず、そのことに目を向ける余裕がなくなったり、忘れてしまったり、手入れを面倒に感じたりすることが多いのも、事実です。

お手入れが必要となる庭、シンボルツリーなどは不要。雑草がとにかく生えないように、コンクリートで埋め尽くして欲しい!!という要望も、もちろんあっても良いのです。

大切なのは、あなたにとっての心地よさ

最初にお話しをした、玄関の顔として外構を考えたり、癒しの場所として外構を捉えたり、長い暮らしを彩り、助けてくれる場所としてぜひ考えてみてくださいね。

(じゅうmado宇部 川村菜穂子)

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