ある住宅会社の意識調査で、インテリアにこだわる人が3割。という結果が出ていました。
一般的に、インテリアへのこだわりという話題では、その人の個性や趣味を反映させる、好みで選ぶというイメージがあり、デザイン性を重視していると考えます。
ただ、家族で過ごす家の中となると、なかなか、一人の意見だけを取り入れるということは難しいですよね。今回は、家とインテリア、おしゃれさとは何かということをテーマに、いくつかの観点からお伝えしていきます。
これからワクワクする住まいづくり・あるいは今の住まいをより快適にしたい!そんな皆様の参考になると良いのですが・・、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
空間とインテリア
住む、暮らすための家となると、家族構成やライフスタイルに合わせて、必要なスペース(空間)や設備の配置などを考慮することが重要であり、その配置によって、心地良く快適に過ごせるかどうかは変わってきます。
配置、サイズ、動線などが、そこに住む家族の感情や行動に影響を与えることすらあると、私は考えます。
空間の考え方で言うと、まず、程よい距離。インテリアの配置にしても、この程よい距離を保つことができるサイズ感が良いのです。遠すぎても不便ですし、近すぎても圧迫感がある。
最近の家の間取り図を見ると、個人の部屋は狭い空間になっていることが多いです。個人の空間よりも、家族が集うリビングに重きを置かれることがひとつの要因かなと思います。
そのため、個性や趣味というよりも、家の中で過ごす時間や活動に合わせて、デザイン的要素も含めて決めることで、快適に過ごせる空間にするという発想も大切になります。
もちろん、リビングは家族のためだけでなく、お客様が来られる場所にもなり得るため、見せる空間という意識を持たれる人もいると思います。昔の家のように、客間や応接間が今の家にはないため、リビングでお客様や友人を迎えるケースが多くなりますよね。
そのような場合は、ぱっと見た感じで、素敵!と思ってもらいたい、オシャレに感じてもらいたいという願いで、リビングをデザインしたいと考えるかもしれません。
写真のイメージと素材
おそらく自分の趣味、好みがある人は、写真などをいろいろと見ながら、自分のイメージにあった空間にしたい、インテリアが欲しいと、想像するのではないでしょうか。
写真を探す際も、色で探したり、スタイルで探したりと、自分の好みに合うものを見つけるために、いろいろと情報を得るようにすることでしょう。
イメージの確立に、写真は大切な役割を果たします。いくつも写真を見比べることで、こういう空間が好みなんだな。と、ご自身でも、発見することがあるかもしれません。
魅力的な空間となれば、日常のストレスを軽減することができたり、満足感、幸福感を感じることができ、生活の質を向上させることもできるかもしれません。
視覚的な印象、目に入ってくるものによる安らぎなど、空間を彩るためのインテリアや設備などは重要な役割を担う一面ももっています。
ただ、注意したいのは、写真はあくまでもイメージと捉える必要があり、実際の質感や手触り感などは、そこからは、正しく感じることは出来ません。あくまでも、ご自身の中にある経験値(データ)から割り当てられた、感覚でしかないのです。
この点をよく考えたうえで、自分の好み、オシャレ感を出していく必要があると思います。実際の住まいに使用する材料や設備、インテリアを決めていく中で、情報が少ないと、思ったものと違った、となりかねないので頑張って多くの情報を得るようにしましょう。
機能性とおしゃれ感
おしゃれに感じる空間イメージを、より快適で心地いものにするために、デザイン的要素、好みだけに偏ることなく、機能性や性能など、テクニカルな要素を取り入れることが必要になります。
デザイン的要素もありながら、機能性を考えたいもののひとつとして、例えば照明を考えてみてください。用途に応じて、快適に過ごすために必要な明るさや照らす範囲を考える必要がありますので、好みや雰囲気だけで選ばないように注意したいです。
最近は、おしゃれな空間として、ヴィンテージ感を出す方が増えたように感じます。色味でいくと、明るいとは言い難い、暗めな空間演出。カフェのようなオシャレなスタイルとも言えますが、日常生活と、非日常生活を一緒にしてしまうことは危険です。
日常生活がしづらい空間になってしまっては、残念ながら、快適な暮らしとは言えません。
見た目のデザインと機能的なデザイン、同じデザインでも重視する部分は異なりますが、可能とあれば、相互に影響させ合いながら、快適で魅力的な環境を作り出せることが重要なのです。
例えば、狭い空間ではコンパクトな家具や明るい色合いを使うことで、広く感じさせる効果がある、逆に狭いところを暗くすると、より狭く感じるなどです。視覚的な狭さ、錯覚とも言えますが、生活を続けるうえでは、ストレスになりかねない要素です。
建物デザインと心地よさ
私たちは、家を建てたいご家族の相談にのることが仕事のひとつになっており、相談に訪れる方から、いろいろお話を聞いていると、建物デザインとインテリアは、別に考える建築会社も多く、建築会社の役割としては、建物の良さを伝えることに特化しているように感じます。
インテリアを装飾品として捉えると、建物本体とは切り離して、後はご家族の好みで選んで下さい。ということになると思いますが、家族が過ごす空間が「家」であり、生活するには、テーブルや椅子などの家具が必要です。その家具が、床や壁、照明設備などとマッチするかどうかも、快適な空間に必要な要素だと思います。
そして、そこで過ごす時間が、家族にとって幸福な時間であるためには、必要な家具を置いても、ストレスを感じない広さを考えておく必要もあります。
また、建物のデザインという観点で行くと、外観も重要な要素となります。特に建築会社にとって、誰からも見える外観は、お客様に印象を持ってもらうのに必要な要素になります。外から、あの家素敵だねと言ってもらえることは、建築会社にとってメリットがあることだからです。
もちろん、家を建てるなら、先ほど話題にしたリビングと同じ、人に見せる、見られる要素にもなるので、建物の外観を重視したいという人もいるでしょう。
周囲の環境と調和し、よい雰囲気を醸し出している建物や、逆に、一般的ではない形や色味で特別感を出したい場合もあるでしょう。
しかし、長く住む「家」については、日々の生活の仕方に、注目することの方を私はお薦めします。美しい景観や自然光を室内に取り入れることを考えたり、色彩や形状を工夫することで、過ごしやすい部屋にするなどです。
さらに、建物の素材や仕上げも心地よさに影響を与えます。自然素材を使用したり、柔らかな光を反射する材質であったり、触れたときに心地よいと感じる素材など考慮すべきことはたくさんあります。
オシャレをテーマに書こうとしておきながら、そもそも、オシャレとは非常に曖昧であると思う私は、どういうものが「オシャレ」なのか、洋服にしても、好みに合わないものをきている人を見て、オシャレとは思わないでしょうし、逆に自分が好きなテイストのものであれば、オシャレだと感じる。
正解はないということは、皆さんもご承知のことだと思いますので、大前提は「好み」に即したもので選ぶことになりますが、そうした上で、好みのみに偏ることなく、機能性や快適性を確認することを忘れないで欲しいのです。
建物の内部構造や配置は、家族が快適に過ごせるように考慮され、部屋の広さや天井の高さ、窓の位置などが役割を果たすように、適切に設計され、環境を活かした心地よい空間を作り出すことができる、そんな建築会社に出会えることを願います。
最後に・・
全ての要望を兼ねることが難しいケースもありますが、考えること、想像すること、アドバイスを受けることで納得感を得ることができると思います。建築会社を決めるまでに、わからないことや迷いがある場合は、じゅうmadoのような、無料の相談窓口を利用するのもひとつの手ですので、お気軽にお問合せくださいね。
(じゅうmado宇部 川村菜穂子)