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色と暮らし(連載①)なぜ色選びに迷うのか

長年、建築の仕事に携わり、その都度、流行りのようなものがあるなあと、思いながら過ごしてきました。いわゆる「トレンド」

トレンドという言葉は、時々話題にする資産形成や経済動向でも、使う言葉ですが、「ファッション」「デザイン」などでも、よく出てきますよね。

つまり、家づくりにも、デザインや間取りにトレンドがあるということですが、最近は、このトレンドにのらない、個性の時代だといわれているように思います。

今回から、4回の連載で「色選び」についてをお伝えしていきます。ぜひ、最後まで読んでみて下さいね。

前回までに伝えた「〇〇パ」も心地よい暮らしに必要な考えですが、あなたにとっての心地いい暮らしに「カラー」はどう影響すると思いますか?皆さんは、ご自身の個性を活かした家づくりができているでしょうか。

30〜40代ならではの色選びの迷い

家づくりやインテリアを考え始めると、必ず出てくるのが「色、どうしよう」という悩みです。

そして、さらに不思議なのは、20代の頃よりも、30〜40代になってからのほうがずっと迷ってしまうことです。

たかが色。
されど色。

SNSを開けばトレンドカラーが並び、好きな色もある。ラッキーカラーも気になる。なのに、「これに決めよう」となかなか踏み切れないことが、多いように思います。

そんな背景から、今回、あえて30〜40代ならではの色選びの迷いについて、整理してみたいと思います。
 

色を「軽く決められなくなる」30〜40代

若い頃は、「なんとなく好きだから」で色を決めることができました。もし失敗しても、やり直せばいい。飽きたら変えればいい。

でも30〜40代になると、生活・暮らしにかけるお金も時間も大きくなり、簡単にやり直せない選択が増えてきます。

暮らしに余裕があれば、飽きたから変える、引っ越す、などの気まぐれな選択も、もしかしたら、可能なのかもしれません。

まして、家の色選びともなれば、多くの人は、簡単に変えられないと、思うのが当然のことでしょう。

そして、 家族がいれば自分だけの好みでは決められないですよね。

夫として、
妻として、
親として。

「この色、相手はどう感じるだろう」
「子どもにとって落ち着くかな」
「長く使って、後悔しないかな」

色ひとつに、自然と誰かの顔が浮かぶようになるのではありませんか?

だから、軽く決められなくなる。それは、責任感が増えた証でもあります。

住まいを彩るカラーは、実際、想像している以上に、長く、毎日、目に入り続けるものであることも忘れてはいけません。だからこそ、慎重になるのはごく自然なことですし、悪いことでは決してありません。

迷ってもいい、それが当然のことと、まずは、理解しましょう。

情報が多すぎて、何が正しいのかわからない

色選びに迷う理由のひとつは、情報があまりにも多いこと。例えば、

・今年のトレンドカラー
・プロがおすすめする配色
・風水やラッキーカラー
・自分の好み、家族の好み

どれも、それなりに正しそうで、 どれも否定しきれない。結果、「全部気になって、何も決められない」という状態になります。

さらに、家族の意見を踏まえると、色選びは簡単にはまとまりません。

・私は落ち着いた色がいい
・パートナーは明るい色が好き
・子どもは「これがいい!」と譲らない

どれも間違っていないように思える。でも、誰かひとりの意見を通すと、誰かが少し我慢することにもなる。「家族みんなが使う場所だから」その言葉が、選択をより難しくします。

情報の洪水の中で立ち止まってしまい、迷いの沼から抜け出せなくなっているだけなのかもしれません。そして、そのことが、決してあなた自身に問題があるわけではないと考えて、気持ちを 少し軽くしてあげましょう。

「好き」だけで決められなくなった自分への違和感

若い頃に好きだった色が、今の自分には少し違う、強すぎる、と感じることがあります。「前はこんなかっこいいスタイルが好きだった。ビビットなカラーも上手に選べた。なのに、今は不安。自分のセンスに自信がもてなくなってきた」

30~40代になると、そんな状況に陥る人も少なくありません。情報が多すぎるから迷うと、先ほどは伝えましたが、この多くの情報が溢れていることを知っていながら、日々の暮らしが忙いために、情報収集ができていないかもしれないという不安が一方ではあるのです。

今の情報がわからない、感覚が鈍っているのではないか、私のセンスで決めて大丈夫だろうか、そう考え始めるとなかなか決められない。

しかし、センスが悪くなったわけでもなく、情報に疎くなったわけででもなく、自然に価値観が変わっただけ。という可能性もあります。

ときめきよりも落ち着き。
目立つことよりも、調和。
瞬間よりも持続性。
刺激よりも、やすらぎ。

あるいは、「家族のためには、これが正解かもしれない」「でも、自分の気持ちはどうなんだろう」30〜40代は、自分の中の基準が 静かに更新されていく時期です。だからこそ、迷いながら、少し慎重になって色選びをするということも、当然ありますし、逆に、そうした方が良い、ぐらいに考えておきましょう。

色選びは、いつの間にか、 正解探しになっていきがちですが、正解はあるようでない、そう思って、焦らず落ち着いてください。

迷っているのは、きちんと考えているから

家は、 「自分のためだけの場所」ではなくなっていきます。

家族の時間
仕事の時間
将来の暮らし

色選びひとつにも、いろいろな背景が重なってくるのです。だから、簡単に決められなくなるのはもっともです。

昔は迷わなかったのに、今は決めきれない。そんな自分に、違和感を覚える人も多いはずです。でも実際は、センスがなくったわけでも、好みがなくなったわけでもなく、守りたいものが増えただけかもしれません。

・落ち着いた空間で過ごしたい、過ごしてほしい
・勉強に集中できる、あるいは、リラックスできる家にしたい
・時が経っても無理のない暮らしをしたい

家族の好みや、家族の過ごし方、将来の暮らしを考えれば、より一層迷うでしょう。今の好みで選んでいいのだろうか。迷って決められないことは、決して 優柔不断で悪いこと、ではなく、きちんと暮らしと向き合っている証拠です。

色選びに迷うのは、センスがないからでも、決断力が足りないからでもありません。それだけ、今の暮らしと、これからの時間を大切に考えているということ。

もちろん、昔から優柔不断、決断力がない、という方も中にはいらっしゃいます。そんな方々も含めて、では、どうすれば正解探しに疲れず、自分たちらしい色を選べるのでしょうか。

次回は、
色選びを少し楽にする
**「考え方の軸」**について書いてみたいと思います。

(じゅうmado宇部 川村菜穂子)

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