皆さんライフハックって聞いたことありますか?仕事の効率を上げるためのテクニックなどを差していた言葉で、本来はプログラマーの仕事術、生産性を向上させるための工夫という意味らしいです。
そこから、現在では仕事のシーンだけでなく、家庭、家事などの日常生活でも効率をあげるアイデアを取り入れるということで、使われるようになっています。
今回は、こんなライフハックな暮らしを紐解く。もっと、シンプルに身近なことに当てはめて実践してみることをテーマにお伝えします。
ちょっとした習慣や視点の切り替えで、毎日がちょっとラクになるそんな暮らしをお望みの方、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
“家”と“仕事”のスイッチをどう切り替えるか?
在宅勤務をテーマに
スイッチをOFFにしづらい、在宅勤務。ON・OFFの切り替えがうまくできないと、非効率を招くことはよくあること。自然に出来る人、24時間仕事に関係していても、苦にならない人は良いですが、なかなか難しいのが実際ではないでしょうか。
少し前は、在宅勤務がどんどん増えていましたね。今現在は、在宅勤務オンリーではなく、出社をすることを再び義務付ける会社も増えてきたと聞きます。
会社でも、先輩・後輩、上司・部下との間で、この考え方のズレが、ひずみを生んでいるところもあるようです。在宅勤務は「通勤無し、面倒な人間関係無し」という良いことづくめだと感じている人にとっては、再び、通勤することが億劫だし、非効率だと思うでしょう。
一方で、在宅勤務である後輩や部下たちのことを、目の届く範囲に居ないにも関わらず、気にかけなければいけない、先輩たちにとっては、大変な苦労です。コミュニケーションの取りづらさについても、指摘がありますよね。
今こそ、在宅勤務のあり方について、再び考えるときかもしれません。
比較的、家でも一人気ままで居られる未婚の若い世代にとっては、在宅勤務は究極に効率的と考えるかもしれません。しかし、ご家族がいる家庭で、ご主人が在宅勤務、一日中家にいるにも関わらず、家のことには関心が無かったりすると、ちょっと困りますよね。
また、在宅勤務している当人が「一日中“オン”のままで疲れる」と感じているケースも多いと思います。家にいるのに休んでいる気がしない——そんなモヤモヤは、きっとあなただけではありません。
意識的に“切り替え”を作ること
在宅勤務をしている当人であれば、仕事時間の意識として、出社せずとも、服を仕事用のシャツなどに替えることで「仕事モード」に。仕事モードを終了するときには、1日の振り返りを行い、明日への準備をする。そんな風に、自分ルールで、オンオフの切り替えをしてみてはいかがでしょう。
また、専業主婦で、在宅勤務をしている夫にモヤモヤしているとすれば、昼間は思い切って外へ出かけてしまいましょう。主婦としての買い物、子供との時間、ご近所さんとの付き合い、せっかくですから、この際どんどん外出しましょう。
しかし、主婦として家で行わなければならない仕事も、もちろんありますよね。この機会に、家事を自分の仕事と考えて、働いている人と同様に、時間に区切りを付けながら、こなしてみてはいかがでしょう。スケジュールを管理し、やるべきことを整理し、効率よく作業していくことで、ご主人の目も気にならなくなると思います。
夫が家にいるからといって、1日中、夫の行動に左右されるのは大変ですからね。
例えば、仕事中に掃除機をかけられると煩いと言われるかもしれません。そのような場合は、掃除時間を決めると、夫に相談しましょう。そして、この際ですから、夫に一緒に掃除をすることを提案してみましょう。
多くの共働き家庭では、そもそも、昼間に掃除機をかけることができません。おそらく、お休みの日に、掃除機をかけることになるのでしょう。そう考えれば、専業主婦でも、毎日掃除機をかける必要はないともいえます。今まで、何の気なしに常識、これが普通だと思っていた生活を見直してみるのです。
在宅勤務であるが故に、お昼ご飯を家で食べるとすれば、ゆっくりお昼ご飯の準備ぐらいしてもいいかもしれません。出勤すれば、外食、あるいは朝早く起きてのお弁当づくりから、解放されるわけですから、新たな時間の過ごし方、そのリズムさえ、しっかりと刻むことができれば、在宅勤務のストレス軽減につながりませんか。
ライフハックは、今までの思い込みや常識を取り払い、新しい試みをすることで、みえてくる生産性。
よくある話で、夫が家にいるから、ゆっくりできないという主婦の方の意見。とかく専業主婦というだけで、夫のために時間を使わなければいけないと考えがちですが、そんなことはないのです。お互いに心地よく、時間を過ごすための工夫こそが、効率的に過ごすことにつながる。そんなライフハックを考えてみませんか。
考えを変える提案
もしも、家にいることで、当たり前のように、世話するように言う夫がいるとしたら、会社でもそういうことをしてくれる人がいるのですか?と聞いてみてください。
夫は、家にいることで、妻に甘えているのかもしれません。自分に協力してくれることを当然と思っているのかもしれませんが、会社にいるのと何ら変わりのない時間の過ごし方が、まずできれば、会社にいても、家にいても、仕事の効率は同じはずです。
自分のペースで効率よく仕事をすることと、家で世話をしてもらうこととで、どれ程効率的に違いがあるか、検討してみてもらってくださいね。むしろ、奥様が家に居ない方が効率が上がるという結果かもしれませんよ。ずっとデスクに向かいっぱなしであることは、実は非効率である可能性もあります。
在宅勤務、通常であれば、通勤にかかる時間を、他の好きなことのために使うようにし、ハッピーな気持ちになれれば、在宅勤務がストレスを感じる時間にはならないかもしれません。
夫婦であっても、会社での人間関係と同じように、お互いがお互いの仕事のことを気にかけ、うまく行くように情報をシェアし、チームとしてこなしていけば、在宅勤務はライフハックの考えにぴたりとはめ込むことができると感じます。
空間の活用で効率を考える
気持ちの切り替え、考え方の変化、これらは、在宅で効率を上げる一つの方法です、仕事時間のON・OFFは、気持ちとしても重要ですが、もうひとつ、スペースとして、空間として、考えてみてもよいでしょう。
リビングで、ノートパソコンを持ってきて、そのまま仕事ということになると、家にいる時間と仕事時間の区切りが付けにくくなります。家族からも、気になると言われることでしょう。
やはり、仕事モードに入るためにも、夫婦の寝室や、家族の部屋とは異なる空間があれば、一番良いですね。いわゆる書斎のような部屋があれば、そこにいる時間は仕事時間だと当人も意識できますし、ご家族も同じです。
もし、これから家を建てるという人がいれば、可能な限りそういう余剰部分を設けておくとよいでしょう。少し前までは、余剰な収納が欲しいというリクエストが多かったですが、最近はミニマリスト、物を増やさないという意識を持つ人が増えたので、この余剰部分は、ぜひ新しい時間の使い方ができる空間として考えておきましょう。
部屋の名称でいうと、「ヌック」と名付けられた小さなお部屋を目にすることが増えました。ヌックとは、ヌークを語源とする、スコットランドで、暖炉のそばに設けられた腰掛けや落ち着けるスペースのこと。暖炉スペースなんて、まさにあこがれますが、暖炉がなくとも、落ち着けるスペースというのは、あったら嬉しいですよね。
仕事の切り替えとして考えるなら、日常生活から放れられる場所として、生活が目に入らない位置に机があり、ノイズキャンセリングのイヤホンで“生活音”から距離を置いたりすると、「今は仕事中」の意識を保ちやすくなります。そんな場所を作って、在宅勤務をこなすのもひとつの手です。
また、生活をする中で、経年によるライフスタイルの変化は必ずあるもの。小さなお部屋をその時々の何かに活用できるとすれば、どうでしょう?
リビングの近くにその空間を作れば、子供が小さいうちに、勉強部屋にすることもできます。子供が自分の部屋で勉強するようになるころには、大人の趣味部屋や家事部屋に変更してもよいでしょう。とりあえず、買ってきたものを仮置きする場所、取り込んだ洗濯物を置いておく場所などでも、使えますし、読書したり音楽聞いたり、日常からちょっと違う時間を過ごしたいときにも利用できるかもしれませんね。
物が増えれば、結果収納になってしまうかもしれないですが、そういう余剰の使い方を検討しておけば、ライフスタイルの変化にも合わせて変えることが出来ますので、いろいろなタイミングでライフハックな暮らしを考えるのに役立ちそうです。
共働きご夫婦のことを考えてみると・・
“ながら家事”で、自分の時間を取り戻す
このテーマでは、共働き主婦の目線にたちましょう。例えば、仕事も家事も忙しく、なかなか自分の時間が持てないと思っているようであれば、少し考え方を変えてみませんか。
完璧な家事はお休みします。“ながら”を上手に使い、自分だけの時間を少しずつ作るように心がけるという提案です。
例えば、自分の時間があったら、何をしたいですか?
痩せたい、ダイエットしたいと思うなら、少し家事をしながら筋トレ要素を加えましょう。子育て中の子供のだっこだって、自分のためにもなる運動の時間になるはずです。日常の暮らしの中で自然に痩せるというのが、本当はとても理想的ですよね。
また、もっと勉強したい。英語のヒアリングを強化したい。などの目標があったとしましょう。それが、あなたの気持ちを前向きにし、リフレッシュさせることだとしたら、料理をしながら、音楽を聞くように、英語のスピーチを聞いてみましょう。英会話レッスンのyoutubeちゃんねるや、スポティファイを活用するのもひとつの方法ですよね。
ながらでは、頭に入らない、勉強にならない、なんて、ストイックに考えなくても大丈夫。今出来る範囲をほんの少し広げるだけです。全く勉強できないとストレスをためるよりも、少しだけ出来るという気持ちの切り替えが大事です。
特に、共働き夫婦の女性でよくみられる傾向として、仕事も子育ても両立させたい、頑張りたい、何もかも完璧にやりたい、やらなくちゃ、私ならできる。という感情を持っていること。
だからこそ、仕事だけをしている人と比較して、焦ったり、落ち込んだりするのです。でも、焦ったり、落ち込んだりすることは、ライフハックな暮らしからどんどん遠ざかってしまいます。
まずは、気持ちを切り替えること、これぞ効率がいい暮らしだ!と、自分で思えるようになること、その一つの工夫が「ながら」になります。
最新家電に注目する
最近は、照明器具と一緒になったスピーカーがあったり、プロジェクターがあったりします。わざわざ、そのためにセッティングしなくても、音声認識ができるスマートスピーカーとの連動で、声をかけるだけで、英語のレッスンがはじめられたり、字幕の映画が見れたりするので、ながら・・にはとても便利になりました。
せっかくなので、お家を建てる時にはこのスマート化を利用して、便利機能も取り入れたりしながら、家事の負担を少しでも減らすように考えてみてはどうでしょうか。
場所によっては、センサー付きの照明にすれば、電気の消し忘れへのストレスも解消されます。洗濯作業も電気を付けたり消したりを気にせずに、出入りできれば何かを持ったままの移動も楽ですし、照明ひとつとっても、このように工夫するだけで、ライフハックに繋がりますね。
“ながら”は、ただの効率化ではありません。「ながらでもやっている自分」を、褒めてあげましょう。完璧にできないストレスがあるとすれば、少しでもやっている自分に注目し、肯定してあげましょう。
忙しい中でも、少しの工夫で「自分の時間を有効に使っている」と思えるようになる。これこそが、効率的な発想です。自分の気持ちをポジティブにするアイテムや工夫を凝らすことで、より効率的になるというわけですね。
気持ちって重要です。どんなに時間があっても、心に余裕がなければ、結果、いい時間の使い方はできません。そんな経験は皆さんにもあるのではありませんか?
ながら家事どころかおまかせ家事
ながら家事で、ライフハック、余剰時間を、自分のやりたいことに使う。この余剰を生み出す考えは、お任せ家事を取り入れることで、さらに加速します。家事をお任せ・・思い当たるだけでも、結構あるのではないでしょうか。
誰もが知るところ、ルンバの利用はかなり増えているようです。共働き夫婦にとっては、居ない間に掃除してくれるのは、最高ですよね。アパート暮らしなどでは、朝や夜に掃除機をかけることが難しいという理由もあるかもしれません。
ルンバを利用することを前提で、空間を考えたり、家具の配置を考えたり、ルンバが通れる隙間を確保できるかどうか、段差無く掃除できる範囲はどこか、など、家づくりの際に検討する人も多くなりました。

お任せ調理家電、というのも多数販売されています。材料を入れて、スイッチを押すだけで、1品料理ができあがります。全自動の洗濯機は、今やあたりまえですが、乾燥まで自動のタイプを使えば、これもお任せ家事になります。食洗機にしても採用している家庭はたくさんあります。
「ライフハック」と聞くと、なんだか特別な人だけが使いこなせるもののように感じるかもしれません。でも、実際はもっと身近なことだと感じていただけましたか?
「朝コーヒーを飲む」とか、「夜は照明を暗めにして気持ちを落ち着かせる」とか、普通の日常を自分にあった暮らし方へ変える工夫する、そんなことの積み重ねなのです。ゆっくりコーヒーをご自身の手で淹れる方が、気持ちに余裕が持てる、幸せな時間だとすれば、何も、コーヒーメーカーを使って時短を考える必要はありません。
何もかも、時短、効率、追われるように仕事をする、家事をする、というのがライフハックではありません。良いパフォーマンス、満足度の高い暮らしをすることが、結果、生産性の向上につながります。
大切なのは、「自分にとって何が心地いいか」を知ること。 その感覚を磨いていくことで、暮らしの質は少しずつ、でも確実に変わっていきます。
忙しくて、余裕がなくて、いつもバタバタしている自分にこそ、 「ほんの少しラクにする工夫」をプレゼントしてあげましょう。 それが、毎日をちょっと好きになるための、第一歩です。
暮らしやすい住まいを手にすることも、素敵な毎日を過ごすためにはきっと大切な要素。後悔のない選択ができるように応援しています。
家づくり、わからないことがあったらその時は窓口をご利用くださいね。
(じゅうmado宇部 川村菜穂子)