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理想の暮らしとは違う?小さな家

最近、皆さんも感じているかもしれない「SNS」の「広がり」。SNSにはいくつも種類がありますが、何かしらは利用している人がほとんどではないでしょうか。もちろん、複数の種類をうまく使い分けしている人も多いことでしょう。

SNSの広がりにより、多くの一般の人々の「つぶやき」を知る機会が増えました。私たちのように、建築業界に携わっている人間には、聞こえてきづらい、「本音」の部分が、ここでは多くつぶやかれています。

最近では、SNS上で多くの人が情報収集や意見交換をしておりまして、建築士に聞くよりも、実際に家を建てた方のアドバイスや意見などを参考にされている人も多いみたいですね。

私自身も、そんなつぶやきを参考にしています。先日とある人が、4人家族で、これは絶対狭いって~。と、つぶやいていました。そこで、今回のテーマとして「小さな家」について考えてみたいと思います。

つぶやきでは「25坪の家は4人家族では狭い」というものですが、果たしてどうなのでしょう。

前回お伝えした、ミニマムな暮らしに関連することとして、今回は、どんどん小さくなっていく住宅規模について、お話したいと思います。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

小さくなっていく住宅事情

まずはじめに、最近の住宅は「小さくなっている」ことは間違いありません。ただ、正直なところ、こんなに狭くて本当に大丈夫?と私も思ってしまいます。そして、この小ささに最近では慣れつつあります。なんといっても、その規模が当たり前、一般的になってきてしまったから。

なぜ、このような状況なのか?

ご想像の範囲だとは思いますが、1つはお金の問題です。そして、もう1つは価値観の変化、多様性。家での過ごし方や物質的欲求の変化ということになるでしょう。

住宅規模とお金事情

住宅価格がどんどん上がっている背景には、物価上昇、材料そのものが高騰していることもありますが、最近は、新築を建てたいといえば、住宅の性能(耐震性・省エネ性)ありきとなっていることもさらに価格を押し上げています。

大手ハウスメーカーから、小さな工務店まで、みな、断熱性能、気密性能をすすめ、さらには、スマート家電化。便利な暮らしの提案がたくさんあります。

このような性能の高い家は、家そのものの構造部分に、多くのお金を必要とするために、どうしても、家を建てるための費用があがってしまうんですね。

ご自身の価値で、コンパクトな家を選択するわけではなく、本当は、広い家に住みたくても、現実的に難しい。物を増やしたくても、増やせない事情が、こういう場合には出てきてしまいます。

ミニマルな暮らしを目指していないのに、無理やりにでもミニマルな暮らしにせざるを得ない。「4人家族で25坪は狭いって~」と言われていた人もその一人かもしれませんね。

25坪の家とはどんな家か

ちなみに、25坪の家ってどんな家でしょう?

たくさんの家をみたり、間取りを見るのが好きだったり、日頃から家に興味を持って接している人は、ピンとくるかもしれませんが、意外とわからない人も多いのではないかと思います。

そこで、考え方、想像の仕方をひとつお伝えしてみます。

25坪を㎡に換算すると、82.5㎡程度なのですが、「坪」「㎡」どちらの単位の方がピンときますか?どちらもピンと来ないですか?

現状との比較をしてみる

例えば、家を建てる前に、暮らしているのがアパートだとしましょうか。お子さんが生まれ、アパートだとさすがに狭いな、と感じるようになり、家を建てたい、欲しいと思う人が行動に移し始めます。

狭いなと感じるアパート、お話を聞くと、2DK~2LDKの間取りの人が多いかなと思います。2LDKのアパートの広さってどのくらいだと思いますか?おおよそではありますが、55㎡前後が多いはずです。もし、今お住まいのアパートの情報があれば是非みてみてくださいね。

2LDKは、2つの部屋とリビングダイニング、浴室、洗面、トイレ、という間取りで、実際に住んでいれば、広さの感覚としては、想像しやすいはずです。

仮に55㎡だったとして、これに比べて、82.5㎡(25坪)は、どうでしょう。単純計算で27.5㎡ほど、広くなりますよね。それなら、まあまあ広い?って思いましたか?さあ、どうでしょう?

ちなみに、6畳が、約10㎡、2部屋必要だとすれば、20㎡。27.5㎡余裕があるのだから、部屋を2つ確保できて、4LDK、4人家族でも大丈夫。と、単純に考えることもできますが、実際はどうでしょう?

考えてみてください。2LDKのリビングダイニングと4LDKのリビングダイニングの広さは同じで良いのでしょうか?2人暮らしの夫婦が過ごす場所と、4人の家族が過ごす場所、LDKも広くした方が良さそうですよね。

そう考えると、単純に部屋数を増やすだけでなく、他にも確保すべきスペースが必要になってくるだろうことは想像できます。

ちなみにですが、約畳1枚分、1帖というスペースは、0.91×1.82=1.656㎡

つまり、2部屋確保した後の、7.5㎡は、約4.5畳ほどしかありません。

ここで、もう一度よく考えてみましょう。アパートでは狭いと思ったので、家を建てたい、欲しいと考えたとしたら、どこが狭いと感じるポイントなのでしょう。

必要な空間を知る

子供は生まれたばかり、小さなお子さんが大きな部屋を必要としているわけではないですよね。つまり、家を建てて、子供たちの部屋が増えたとしても、すぐすぐに暮らしやすい住まいには、繋がらないのではありませんか?

では、広くしたい場所は、具体的にはどこなのでしょうか?

・お風呂ーーーアパートのお風呂は、0.75坪というサイズ。住宅では、1坪サイズが一般的。

・玄関ーーーアパートの玄関は、0.5坪というサイズ。子供たちと一緒にお出かけするときに、大渋滞というイメージもつきます。

・洗面所ーーーアパートの洗面所は、1坪サイズ。洗濯機と洗面台が置かれています。住宅でも一般的な広さですが、室内干しを考えると、1.5坪~2坪になることもありますね。

・キッチンーーーアパートのキッチンサイズは、巾2100~2400㎜。住宅では、キッチンサイズは2700㎜が一般的。

このように、各部屋、各スペース、少しずつですが、広くしたい願望が出てくると思います。積み重ねで、あっという間に7.5㎡(4.5畳)必要になりそうですよね。

2畳が1坪なので、4.5畳は2.25坪分、単位はご自身で考えやすいもので、想定しましょう。

大切なのは、ご自身にとって心地よいスペースを知る事です。

心地よさを感じるスペースは、個人によって違います。しかし、住宅会社は、一般的な話として、話すことが多いため、彼らの言葉をそのまま信じるのではなく、良いかどうかは、ご家族で話をしてみること。これが後々の後悔を無くすことにつながりますよ。

判断の基準を正しく

ご自身で判断するために、大切なことをお伝えします。

回りの声は、あくまでも参考程度にすること。最初にお話をしたSNSのつぶやき。これは、あくまでもその人が感じたことやその人の実体験、あるいは、その人の知り合いの話かもしれません。

つまり、決して、それは自分と同じ結果をもたらすとは限らないということ。

譲れないところはどこか?妥協できるところはあるか?限られたスペースの中で、心地よく過ごす想像ができるかどうか?とても重要なことです。

つぶやきというのは、愚痴や不満であることが多いです。満足しているところは、当たり前のものとし、スルーしがち。なかなか、つぶやかれないと思った方が良いでしょう。参考にする際には、この人が不満に思うところ、自分だったらどうだろうか?と考えてみてくださいね。

不満や問題点をばかり拾っていると、あれこも、これも、どれも、嫌!となってしまいます。結果コンパクトにするどころか、どんどん大きな家にせざるを得なくなります。叶わないことだらけだと、家を建てることすら嫌になってしまいませんか?

マンションを参考に考える

体感するひとつの方法として、マンションを参考にしてみるのも良いと思います。

マンションには、3LDK、4LDKなどの間取りがあり、一軒家に比べると、比較的コンパクトなモデルとなります。建築途中に、モデルルームもありますし、間取りなども、ホームページに掲載されています。形は、必然的に長方形などのシンプルなものになりますし、無駄を省いた間取りになっていることが多いでしょう。

ご自身が気になる部屋、リビングや洗面所、お風呂など、その広さがどのくらいかを把握して、実際に見に行くことで、感覚的にわかるようになってくると思います。

そして、同じ広さであっても感じ方が違うケースもあるでしょう。それは何故でしょう?モデルルームに配置されている家具だったり、天井の高さだったり、レイアウトだったりが異なることで、感じ方も異なってきます。

ご自身の体験において、ゆとりあるスペースとは?ちょうど良いスペースとは?片付けしやすいスペースとは?物を置きやすいスペースとは?動きやすいスペースとは?そんなことを念頭にしっかりチェックしてみましょう。

かつての一軒家は、廊下で区切られているのが一般的でしたが、その廊下は、今では無駄なものとして、無くす傾向にあります。そのため、最近の小さな家の間取りは、マンションの配置に近くなっていると感じるのでぜひ参考にしてみてください。

無駄をなくすことによる落とし穴

廊下をなくすことは、無駄をなくすこと。これってとても理に適っているし、メリットだと感じるでしょう。

しかし、実際の暮らしを考えてみると、通路は必要なんです。廊下を無くすということは、部屋の中に通路を設けているような状態になるため、家族が増えれば増えるほど、リビングに人が集まれば集まるほど、人が動くたびに、不都合を感じる可能性もあります。

つまり、最初のお話、必然的にミニマリストにならざるを得ません。部屋の広さを確保していると思うものの、通路となる場所には、物を置くことが出来ません。小さな部屋で区切られたキッチンは確かに狭いですが、壁面にはずらりと、収納棚があったりしませんでしたか?

家は住み始めると、このあたりにちょっと棚があるといいね、引き出しがあるといいね、ゴミ箱がほしいね、サイドテーブルが欲しいね、などと様々なものがあるといいなと思うようになります。

便利な暮らしというのは、できる限り動かなくて良い・動線が短い暮らし、と考える人は、なおのこと、近くに必要なものを置きたいと考えます。さて、どこに置きましょうか?

そんな先々の暮らしまで、想像した上で、部屋の広さや間取りをぜひ検討してみてください。

小さい規模だからこそのメリット

住宅価格が高騰しているため、必然的に家の規模が小さくなっている。という話を最初にしました。物を置けないデメリットについても触れました。ただし、住宅規模が小さいからこそのメリットもたくさんあります。

最初にお話をした住宅性能、耐震性能にしても、省エネ性能にしても、必然的に小さい家の方が高くなります。今回は、その考え方や設計の仕方にまでは触れませんが、イメージだけお伝えしておきますね。まず、地震のことを考えると、大きければ大きいほど、大空間があればあるほど、家は揺れを受けやすくなりますよね。

省エネ性能についても、詳細には触れませんが、家そのものの断熱性能だけを考えてみても、空間が広ければ、空調を整えるために、それだけ、エネルギーを必要とするだろうということは、想像でますよね。

家が小さくなっているのは、物価上昇によるお金の問題もありますが、皆さんが必要としている「住宅性能をあげる」ためにも、理にかなていると言えるわけです。

耐震性、省エネ性については、世の中の流れ、国の施策でもありますが、そのような住宅に住むことで、皆さんが受けらえるメリットがありそうですよね。

まとめ

住宅会社で、「これが普通ですよ、皆さんそうされてますよ。」ということは、比較的よくあります。皆さんも、他の人もと思えば、多少の安心材料になることも、もちろんあるでしょう。

ただし、皆さんがもしも図面を見ることに、慣れていないのであれば、自分の頭の中のイメージと、その図面に書かれていることが、違う可能性があることを忘れないでください。

そう言われても、どう結論づけて良いのか、どう考えたら良いのか、わからないという人も多いでしょう。住宅会社に進められるがままに、しない方がいいとしたら、何を信じたら良いのかしら?ってなりますよね。だからこそ、SNSの普及により、多くの人が、SNSのつぶやきを参考にしているのだと思います。

ただ、SNSでのつぶやきは、1人のひとの1回の経験かもしれません、それであれば、多くの家を建てることに携わっている、住宅会社の人の様々な体験や経験、実績による説明の方がより真実に近いかもしれません。

この家で家族が暮らすのに、狭いのか広いのか、ちょうど良いのか・・

どこで、どんな情報を仕入れて、どう活かすかについては、皆さん次第です。それでも、不安や迷い、わからないことがあれば、無料の住宅相談窓口を利用してみてくださいね。

(じゅうmado宇部 川村菜穂子)

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